2016年8月23日火曜日

2016多摩美術大学プロダクトデザイン合格者作品:手のデッサン制作プロセス

怒涛の夏期講習が終了しました。
皆さん、よく頑張りました!!

後期授業が始まるまで実技は小休止。ただいま学科の夏期講習後半戦です。
学科はあやちゃびんに任せるとして、実技サイドとしてはデッサンのポイントをしっかりおさらいしておいてもらいたいので、ヒントとして制作プロセスをあげておきます。



多摩美術大学プロダクトデザイン合格者作品制作プロセス
多摩美術大学生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻合格者の再現作品プロセスです。手と「スプーン」を想定してデッサンしなさい。という出題でした。まずは大きくあたりを取っていきます。この段階でのポイントは構図です。上下左右あき過ぎていないか、手の大きさ、プロポーションは良いかチェックしましょう。そのためにも、画面全体に手を入れていくことが重要です。片手だけ先行して描き進めるのは言語道断です。だいたい30分を目安にしましょう。


多摩美術大学プロダクトデザイン合格者作品制作プロセス
全体に明暗を捉えていきます。明るさ暗さを利用して早めに手全体の立体感を表していきます。また鉛筆の白から黒までの諧調の差を、影の世界や固有色の違いなどを利用してしっかりとつけておきたいところです。

多摩美術大学プロダクトデザイン合格者作品制作プロセス
大分全体感が現れてきましたね。手の部分の明るさ暗さのトーンと金属部のトーンの差をすでに積極的に捉えているので、質の違いも見えてきています。


多摩美術大学プロダクトデザイン合格者作品制作プロセス
どんどん加筆していきます。この辺りの段階から、もう一度、描く対象をよく観察することが重要になります。新たな特徴的な細部を探し出そうとするか、なんとなくこれまで捉えた形を観念的に繰り返していくか、今後の作品の質に大きく関わってきます。


多摩美術大学プロダクトデザイン合格者作品制作プロセス
さらに手が入ってきましたね。金属の部分とスプーンを持っている手の指に突っ込んだ描写があらわれました。より高いレベルの作品を制作するにあたって、完成度の高い作品イメージと、またそのレベルに到達するための仕掛けが必要です。


多摩美術大学プロダクトデザイン合格者作品制作プロセス
より定着感が増してきました。前の段階と比較して、荒れていた鉛筆の調子がまとまってきたのがわかりますね


多摩美術大学プロダクトデザイン合格者作品制作プロセス
完成!!!!!アウトラインの処理が少し簡単になってしまったのと、小指が若干ヘンですね(笑)。主題である金属のスプーンと手の質感の違いがうまく表現されていますね。言い切りの良い強い作品に仕上がりました!