2016年5月27日金曜日

就職について


春期講習に続き今年2回目の志望校調査がはじまりました。
まだ調査書を出していない人は早急に出してくださいね!
徐々に専攻別の課題に移っていきますし、
来月には父母面談も控えていますから、個別に志望校の確認を始めます。

さて志望校や併願校を絞っていくにあたって、
「就職できますか?」「どこが就職に強いですか?」
という質問をよくされます。とても大事なことなのでここにも記述しておこうと思います。難しいですが。

まず、「就職できますか?」の回答としては、
「できます。」と答えます。
ただし、大学4年間の研究期間を積極的に取り組み、しっかりとスキルアップする。のが条件です。
企業は優秀な人材を求めています。そんな人材になれるかどうかはあなた次第です。
なんとなく通ってなんとなく制作していたら、就職への可能性はどんどん低くなってしまいます。

次に「どこが就職に強いですか?」の回答としては、
「わかりません」と正直に答えています。
というのは、前述の「就職できますか?」の回答内容に関わってくるからです。

過去にあった例で言うと、ハマ美でAさんとBさんが受験勉強に取り組んでいました。
Aさんは試験倍率10倍を超える高い難易度の大学に現役で進学し、
Bさんは、一般入試倍率が一桁台前半の大学に推薦入試で進学しました。
一個人のスキルアップという点では、入試の合格基準のレベルが高い(受験者数の多い競争率の高い人気校に自動的になります)、つまり難易度の高い大学へ進学したほうが、その実技レベルを前提とした授業が行われるので可能性が高まります。
AさんとBさんはそれぞれの進学先でそれぞれの4年間を過ごしました。
それを経て社会に出たとき、なんと同じメジャーなデザイン会社で再会したのです。
「あっ!!!ハマ美でいっしょだったよね!!!」と。
想像の域を出ませんが、Bさんは相当に4年間頑張ったんじゃないかな・・・(もちろんAさんもね)。

そして残念ながら逆の例もあります。
Aさんと同じような高い競争率の大学へ進学しておきながら、なかなか勉学に身が入らず留年してしまい、厳しい就職活動を送る結果になってしまったという人もいます。




「就職できますか?」「どこが就職に強いですか?」の質問に明快に答えられているかどうかわかりませんが、違った視点として客観的なデータも示しておきます。

東京芸術大学:過去5年間の進路状況

多摩美術大学:卒業生数と進路

武蔵野美術大学:進路・就職状況

東京造形大学:卒業生の進路状況と主な就職先

女子美術大学:卒業後の進路

数字上のデータですので、一個人がどのような目的の上で4年間を過ごした結果なのかまではわかりませんが、興味深いデータではありますね。
「就職できるかな?」というより、自分の興味のある事柄をとことん追求してかっこいいものをつくり、デザインスキルをあげるそ!!という思考のほうが、結果的には就職への可能性を高くしてくれるのではないかと思います。
そして、これは美大に限った話ではなく、一般大だって同じなんじゃないかな~とも思います。